アニメーション作家 有吉達宏のブログ

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<<   作成日時 : 2017/04/12 21:25   >>

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『穴』

藁をも掴む思いのときは実際に藁を掴んでみよう。そこに実在がある。
実在を感じたなら非在を感じよう。それはすぐ側にある。

コインの裏と表、コイン自体、またはコインを投げた人物。
コインが床に当たる。この時床は何だろう。我々の基底を為すもの。運命を司るもの、波打たない海。あるいは運命という答えによって見えなくなる、非在なる存在。さっきまであったもの。

穴に惹かれる。穴は周囲のものを取り込む。穴は見えないもの。穴をつくる周囲のかたちだけあることがわかる。周囲の味を感じる。構造を見る。匂いを嗅ぎながら進む。

穴を覗き見る。私は穴をどこまでも進んでいくべきだろうか。進めているのだろうか。
きっと私の制作は穴の中を進んでいる。

しかし穴は一つではないように思える。
穴はいたるところに存在しているように思える。
ものの数だけ穴がある。今、ものと書いて人を除外した。人も穴だろう。しかし人の穴はかたちがわかりづらい。人にも穴があるだろう。しかし、そのかたちは見えず、かすかに見えても変容していく。

ものの穴は自らの穴の投影だろう。自分の顔は見えない。あるいは人に感じる穴も自分と他者とのまぐわいによって起こる仮想された現象であり、それは視認できうるものではないかもしれない。

人を穴と感じると人自体が見えなくなってくる。それは輪郭を無くし私を取り込む。
そう、私は穴の中にいるのだろう。光を感じるか?それは幻想だ。一縷の望みはある。非在の際のざわめきを知覚しろ。それは声ならざる声だろう。



コインの裏表だけ見るのではなく、コイン自体を見つめよう。

ものは力をもっている。それは自分の境界から溢れたものか、もの自体のものかは判別できない。
そこに力が生まれていることを、とりあえずのとっかかりとしなければならないのではないだろうか。
力が私を動かす。線を描く。かたちに囚われるな。あなたはかたちで捉えられるものではない。決して見えると思うな。手を伸ばして、何も無かったら、じりじりとそのまま歩を進めるしかない。

作品が生まれるとき、穴から何か出てくるとき、その作品は常に異形のものとして現れる。

人が作品をつくる。それは人が人を産む能力とは別次元のものだという認識を持つべきではないだろうか。
作品は現時点で世界に貢献しない。だが、我々が何故いるのかの答えを真正面から叩きつける。それは明白過ぎて見えづらいものかもしれない。視界を埋める作品の圧力。その隙間から風が流れていないか?新たなヘソの緒が見えていないか?制作者はそれをまた辿ることしかできない。盲目に進め。

穴を見よう。
あなたは穴の中にいる。
自由は贅沢な妄想だろう。
風を感じるか?
自分の実在を感じるか?
だがあなたは根本的に非在の存在だ。
地面に足がついていることを感じるか?
地面が何かわからなくなるとき、あなたの膝は折れるだろう。
そして地面に横たわって、力無く息をしよう。
あなたはその時地面と並列でありながらまぐわっている。
あなたが産むべきはあなた自身だ。
それは異形の者だ。
異形の者のかすかな産声が聴こえるか?
それがあなたの子供だ。
脱線しよう。
そしてまた脱線しよう。
脱線し続けよう。
正解など気にも留めず。
過去はただの足跡。
過去は未来の可能性として我らの足になる。
地面を歩いているか?
それがあなたが歩むべき道なのだろう。
また、道はなく大地が広がっているのみだ。
隣人は見えないだろう。
我々は皆が個であり、星を異にすると言ってもいいくらい離れた存在だ。
作品の余波はきっと他者に届きうる。
言葉を包むものが人を人たらしめる。生きてゆける。

穴。
出会ってしまったのなら進むしかない。
出会いとは新たな空間であると思える。
あなたのなかのざわめきが、声にならないかすれ声が、聴こえるか?
あなたは非在の存在。
歌を歌おう。せめて声を出そう。

孤独ではない。
最初からずっと独りだということに気づけずにいるだけだろう。
空を見よう。
星が瞬いている。
あの星にも誰かいるよ。
あの星にも。
光が我らを繋いでいる。

体温を感じるか。
その先は非在だ。
あなたは非在だ。
異形のものよ、己の道を歩め。
新たな風を感じるか?
それがあなたの世界だ。
何度でも世界を発見せよ。
刮目せよ。
目を閉じよ。
もがき、生きるしかない。
指先にサッとあの時触れたもの。

天も地もない。
そこにあなたがいるだけ。


あとがき

何ができただろうか。
何を見つけられただろうか。
ただ精神姿勢を探しただけだろうか。
穴はいまだ空いている。
きっと閉じない。
何度でも次元を超えてワープしてゆけばいい。
何か印せ。
人に見せろ。
世界は、人は未だ見えていない。
階段を下ってもいいよ。
それが前進なら。

地面を感じるとき。
風が吹くとき。

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内 容 ニックネーム/日時
すごくぉ久しぶりです★
なんか詩みたぃのもすごくステキだから 思いついた時などは書いてほしぃです 読みたい★ あと実はTwitterの紙をクルクルする描き方の部分で思い出したのだけど 既に2014年頃にはクルクルしてるよーな気がした事があって..無意識かもだけど アリアリの当時の作品を絵を深夜みてたらクルクルしてる感じしたから自分でケータイの画面の絵を指でクルクルしまくりながら暫くみてたら マジで目ぇ回っちゃって這いつくばって寝にいった事があります.. しかも引越しの前夜だたから回復しなかったらマズぃ..と思ってすごく覚えてるw
因みに最近ウーパールーパーと仲良しになれました★わーぃ 想像以上にかわいぃからオススメです★ あとペロちゃんは自分で自分の友達のサボテンの名前です★ すごくいぃこなんです..★ 最近の 「狂乱」の製作も楽しみです..★ もっと爆破するくらぃ狂乱しちゃって下さい...★笑 自分も頑張れるとよぃのだけど何とか生存しています★allthebest..
めぐめぐ
2017/06/10 11:49

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